会員紹介:富岡聡さん

 株式会社大和ネクスト銀行 勤務

 平成9年度合格


<司法書士を目指した理由>

 

 入学した大学がたまたま司法関係に強かったため、入学後から漠然と司法関係の仕事に興味がありました。加えて、私が大学3・4年生の頃は「就職氷河期」と言われた時代で、普通に就職活動をしても苦戦することが予想されたことから、「手に職を付けてから(司法関係の国家資格を取ってから)社会に出よう」と考えたことがきっかけです。

選択肢としては、司法試験ということもありましたが、先々は企業法務で働くことを志向していましたので、(司法試験と比べて)実践的かつ受験準備期間が短い司法書士試験を目指すことにしました。

 

 なお、司法書士試験合格前後は、資格の予備校や司法書士事務所で働いていましたが、そこでの経験がその後の企業法務での仕事に大いに役立っています。

 

 

<現在の仕事内容・所属組織はどのような職種・業種ですか>

 

 司法書士事務所勤務を経て、2000年から現在の証券会社グループに入社し、概ね法務部門に所属しています。業務内容としては、契約書の審査、社内からの法律相談への対応、株主総会・取締役会の運営、稟議書・規程管理といった一般的な法務・総務業務を担当する一方で、新規ビジネスの立ち上げや新たな制度への対応といった各種プロジェクトへ参画するなど、幅広い業務に携わらせていただきました。また、業種柄、金融コンプライアンス等の業務もカバーしています。

 

 そして、現在は、2011年に開業したグループ内の銀行に出向し、法務部門のマネジメント職に就いております。

 

 

<社内で司法書士のスキルが生かされる場面>

 

 司法書士試験の科目のうち、民法は、契約書を審査したり、新たなビジネスのために約款を新設したりする際には当然のように役立ちます。また、株主総会や取締役会の運営に当たっては、会社法(私の受験時はまだ商法でしたが)の知識が基本となります。

 

 このほか、司法書士試験特有の科目として、各種登記法や供託法がありますが、前者の勉強で学んだ知識は、抵当権の設定やオフィスとして使う物件の購入・貸借の場面、あるいは新たなビジネスのために会社を設立したり、増資をしたりする場面で有用です(ただし、私の会社では登記申請自体は外部の司法書士事務所に依頼しています)。ちなみに、私は現在、自分が原始定款を起草した会社で働いています。供託法の知識が活かされる場面は…ここでは書きづらいので割愛させて下さい。

 

 このように受験勉強で学んだ知識そのものを企業法務に活かせることに加えて、受験を通じて法律を体系的に幅広く学んだ経験が、司法書士試験の対象ではない新たな法律を学ぶ際にも活かせているような気がします。

 

 

<当協会の魅力・面白さ>

 

 法務部門は、単に法的な白黒を判断するだけでなく、時に実務的な判断を求められることがあるのではないかと思います。そもそも、法的な白黒も常に明確に区別できるわけではありません。そこで、自部門の判断がそれでよかったのか、あるいは、法務部門は会社の中でどうあるべきか、と葛藤することがあります。また、法制度は常に変化していきますので、それを追いかけていく必要がありますが、そのための情報を収集することが実は大変だったりします(以上、少なくとも私の場合は)。

 

 そんな中で、2013年に当協会の立ち上げの話を伺い、直ぐに参加したいと思いました。実際に当協会がスタートして、協会員の方々と共感し合ったり、様々な情報を共有していただいたり、時には相談させてもらったりして非常に有り難く感じています。ただし、そういった実務的なことに限らず、様々な業界の魅力的な方々と知り合えて交流できること自体が当協会の魅力だと感じています(協会員の皆さんの多くが、働きながら司法書士試験を受験して合格されているという点に驚きを感じ敬意を表します)。

 

 また、最近、当協会で執筆した実務書が出版されましたが、それに象徴されるように、どこかで同じ価値観を持つ協会員が共同作業の成果を世に出すことができるというところも魅力といえるのではないでしょうか。